四 旬 節

 「人の子は仕えられるためではなく仕えるために、また、多くの人の身代金として自分の命を献げるために来たのである。」  (マルコ福音書一〇章四五節)

 キリスト教会の暦で、「四旬節」が始まります。今年は、三月八日の「灰の水曜日」から、四月二三日復活日の前日まで、日曜日(聖日)を除いた四〇日間が、この「四旬節」と呼ばれる日々で、最後の金曜日は、「受苦日」と呼ばれ、キリスト・イエスが十字架の死を遂げた日です。その三日後の、四月二三日が復活日です。、キリスト教会にとっては、とても大切な日とされています。

 この期間は、「悔い改め」の期間であって、キリスト イエスの前に於ける自分をよく見つめて、自分の真実を知る時であります。

 主イエスは、「仕えられるためではなく仕えるためにきた」と言われています。つまり、恐ろしい神秘的な力をもって、人間を脅かしたり、恐怖に陥れたり、人間に君臨するために来たのではなく、また、敬いあがめられたりするためにではなく、あくまで私たちを生かし、私たちが、神の創造の目的にかなって生きられるようにするためだと言われるのです。

 しかも、自分の生命に代えて私たちを生かすために来たと言われているのです。私たちがどのような目に遭おうと、何をしようと、自分の命に代えて私たちのことを思い、何とか創造の目的、生まれ出た意義通りに私たちを生かし続けようとしてくださる方、キリスト・イエスに、私たちは、常に支えられています。このことを忘れない、このことを喜ぶというのが、信仰者の生き方でありますが、「四旬節」は特に、そのことをはっきり自覚しながら過ごす日々です。

 「克己」という言葉があります。私たちは、とかく自分の心の赴くままに生きていますが、果たしてそれが真実なるものへ私たちを導いてくれるかどうかは疑問です。「克己」というのは、そのような己の心に、一時逆らってみることです。抵抗してみることです。すると、案外自分の真実が見えてまいります。  「四旬節」は、「克己」して過ごすのが大切なことであります。今年は、ぜひそうしてみて、新しいご自身を発見してみてください。

2000.Feb.28.


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